衝撃の養鶏アプローチ: 脳を殺して『マトリックス』風に飼育 というネット記事を読んで感じたこと
http://estoryposts.wordpress.com/2012/02/21/headless-chicken/
確かにこれはひどい写真だなぁ〜とは思う。
だけど、開発者の人がインタビューで答えていたように
「現存の養鶏システムも、同じくらい衝撃的なものだ。
ただ、消費者がその現状に気づいていないか、もしくは見ない振りをしているだけだ」
という言葉も納得。
写真だけしか見たことはないけど、実際に、
最初から毛の無い鶏だったり(あ、上の写真の鶏も毛が無いね)、
腿肉用に太ももだけ異常発達させたヒヨコなど、
人間の都合やニーズに合わせた品種改良が
あれこれおこなわれているらしい。
(野菜も同様)
消費者の僕たちは、スーパーで売られている切り刻まれパックに入った
「鶏肉」という商品しか見てないから、
彼らが生きている時の姿を想像するのは難しいだろう。
確かに、鶏肉屋さんに行けば、腿肉の塊を包丁でぶった切られるのは見れるし、
アジアなどに行けば、それこそ、生きたまんまだったり、
半分にぶった切られて吊るされている鶏の姿も見ることはできるが
それは極一部の話。
僕らが選べる選択肢は、値段か、ブランド名か、産地、そんなところであって
どんな物を食べ、どんな環境で育ったのか、どんな表情をしているかと言った事は
分からないし、選びようが無い。
よほど、ちゃんとこだわった生産者の方々と出会わない限り。
衝撃的な写真で「うわ〜かわいそう!」などというのは、
「野蛮人は鯨を食べるな」という短絡的思想の一部の白人と
さほどかわらないのでは?とも思う。
生産者の人たちの立場で考えれば、また違う見方もできるのでは?
ほんとは誰だってこんな事はしたくないはず。
だけど、大量飼育、短期出荷でコストを下げに下げてもなお、
安価でしか取引されない今の資本社会流通システム自体がまず一番の問題。
僕らの両親の世代が子どもの頃、今から4〜50年くらい前までは
鶏肉ですら高級品で、年に何回か口にするようなものだったと聞く。
今更その時代に戻ることはできないだろうけれど(来るかもしれないよ)、
普段僕たちが何も考える事無く口にする食材全て、
命在るもの。
そして、それを育てて生計を立てている人がいるという事実。
自分の身体を、自分が育てた命を、
携帯をいじるついいでに、またはテレビをぼんやり見る傍ら
惰性で口に放りこまれているとしたら、どう思う?
そして、食べ残されて廃棄されるとしたら、どう思う?
不景気不景気と言えども、有り余るモノに感覚が麻痺してしまった、
21世紀の今の日本に生きる
大多数の僕たちは、恵まれ過ぎたがうえに、不幸。
飲食業に従事する者としても、また地球屋としても、
食の安全性は最優先するし、常に本物にこだわりたい。
それに加えて、食事をされる方への意識改革も、今後の重要課題であるとも思う。
命を頂き、それらのおかげで生かしていただいている。
感謝の念。それは、人間だからこそできる、奪った命に対する真心。
地球屋はそうでもないけれど、よそをみていると
「いただきます」「ごちそうさまでした」を言いもしない、
そんな素振りもしない大人のいかに多い事か!
子どもたちに「食育」とか言う前に、大人がちゃんと手本を見せない事には
意味が無いのじゃないのかな?
『ああ、飯は天であります。そして皆で分かち食らうもの。」
地球屋の原さんから教えてもらった韓国の詩人キム・ジハの言葉を
改めて思い返した今日。
地球屋がお世話になってる江迎・林さんちの放牧豚ハッピーポーク
(撮影&著作権 なみっこさん)
久しぶりの家ごはん 食べるという事
と言っても、先日仕込んだチキンカリーにさっき採ったしいたけをちぎって入れただけなんだけど。
縁側でいただきます!
この間デジカメで料理撮影をしているのだけど、やっぱり自然光が一番おいしそうに見える。
採りたてのしいたけの香りはびっくりするほど豊潤で、スパイスの香りよりもたくましい。
うむ!まさに森の香り!
歯ごたえも申し分なく、まさに主役級の食材になった。
今年はしいたけ栽培もやろう。
おいしかった!おごちそうさまでした!
ちなみに、僕はカレーは手で食べます。
こっちの方が断然うまい!
触感というもう一つの味覚があると言うと判り辛いかもしれないけれど、おむすびや握り寿司も、お箸ではなくて手に持って食べた方かおいしいというのと同じ。
インドをはじめ、手で食べる食文化の残るアジア、アフリカ圏の人々は、食事前に入念に手を洗います。
右手で食べるというのも、その使い分けです。
(トイレは左手)
自分の身体が一番信頼できる、当たり前の事です。
ま、さすがに外食の時は人目もあるから難しいと思うので、お家で一度試してみてね。
地球屋はちゃんとフィンガーボウルもお出しいたしますので、是非どうぞ!
もちろん、できたてのカレーは熱いに決まってます。
ならば少し冷ましてから食べればいいこと。
ちなみに、いつでもアツアツの料理が出るだなんて、日本くらいかもしれない。
ある程度温度が下がった方が、食材のうまみや食感もよく判ります。
生きる為に、他の命をほふり、いただき、自分の命、将来の命に残す。
動物は、自分が生きるに必要な分しか食べない。他の命を無益に奪わない。
人間は、自然界においては弱者だから、『将来への不安』も考え、余計に蓄えようとする。
『富』を持つ者、持てぬ者、持たぬ者。
人間社会はこの三種に分かれる。
何にせよ、『いただきます』、『おごちそう様でした』という言葉と手を合わせる心は日本の誇る大切な文化。
食育という言葉もだいぶ定着した感はあるが、子ども達よりも、むしろ、大人達に必要だと思うこの頃。
そのうち、大人の食育を企画してみたいな。